遠近 ochi-cochi

逍遥録

Tanba sasayama

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丹波篠山の山深い里、あと1Kmも行けば車道が無くなる所

段々畑の農道を登って行くと一軒の茅葺き屋根の古民家

軒に氷柱を携えた築260年の風格は

一宿の期待を膨らませるには充分のビジュアル

土間、囲炉裏、釜戸、五右衛門風呂、タイムスリップ

山間の里は日が短い、飯の支度も自炊なので

到着して直ぐ、先ずは薪割り、釜戸に薪を焼べる

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釜戸に焼べた火は、風呂釜や囲炉裏の炭おこしにも使う

暖房にもなるし、煙りは虫除けにもなるが、何より建物を強くする

兎に角、日々の営みは先ず『火』なのだ

釜戸で飯を炊き、囲炉裏で魚を焼き、今夜のメインは牡丹鍋

酒、酒、酒、宴会は夜通し続く

しかし外は氷点下3度、室内でも3度、ありえない

こたつに入ってはいるんだけれど酔わない、まったく酔わない

寒くて寒くて飲んでも飲んでも酔わない

焼酎のお湯割りも熱々燗もあっという間に氷水のように冷たくなる

昔の人は辛かっただろう

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でもそこで五右衛門風呂がチカラを発揮する

冬、冷たく凍った鉄釜を先ず火を焼べ鉄釜自体を熱くする

そこへ水を張り湯を湧かす

鉄釜の熱は湯を伝い体の芯をつらぬいてくる

                          つづく